本研究では、静電塗布法を用いた有機薄膜太陽電池の特性向上を目的として、酸化亜鉛ナノファイバーの形成技術、膜厚方向でpn混合比率を制御する技術、溶媒蒸発時間制御によるポリマー配向制御などを検討した。酸化亜鉛ナノファイバーでは前駆体溶液中のPVPの分子量と添加量を制御することで、直径30 nm程度の微細な構造の作製に成功した。また、交互間欠静電塗布法を提唱して、パルス電圧で交互に2種類の材料を噴霧することで、任意の比率の薄膜の成膜を可能にした。さらに、溶媒蒸発時間が長いほどポリマーの配向することを初めて明らかにして、高い太陽電池特性につなげた。最終的には本手法を用いて8.6%の変換効率を得た。
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