新共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent)を電解溶媒とするFe系磁性膜創製を検討した。Fe-Ni-Co系膜においては,幅広い組成範囲で90%を超える高電流効率が得られ,Feを多く含む膜で低い保磁力値が観測された。X線回折やTEM観察の結果から,Fe-rich膜では微細な組織が形成されることを確認し,結晶粒の微細化が低保磁力の実現に寄与している可能性が示唆された。Fe-Ni膜創製においてグリシンやアミド硫酸アンモニウムを浴に添加するとFe-richな組成領域で著しい保磁力低減が観測され,水溶媒から作製した膜に匹敵する磁気特性を達成した。
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