研究課題
溶液プロセスにより作製できるフレキシブル不揮発性有機メモリを実現することを目的として、塗布型材料による電荷蓄積層を有するフローティングゲート型の有機トランジスタメモリの開発を行った。フローティングゲートとして機能するナノ微粒子や有機半導体材料の探索、作製プロセス及びデバイス構造の最適化を行い、半導体ナノ微粒子や低分子有機半導体分子を絶縁性有機高分子と混合し、塗布プロセスにより成膜した電荷蓄積層を用いることで、書き換え可能な不揮発性のメモリ特性が得られることを明らかにできた。特に、可溶性フラーレンや可溶性ペンタセン等の可溶性低分子半導体をフローティングゲートとして利用することで、電荷蓄積層、有機半導体層及び制御有機ゲート絶縁層の全有機層を簡易的な塗布プロセスで作製できるトップゲート塗布型有機トランジスタメモリを実現できることが分かった。この様なメモリ素子は分子フローティングゲートへの少数キャリアの注入・保持によって動作し、有機半導体層とフローティングゲート分子のエネルギーバンドダイアグラムから説明できることが分かった。開発したメモリ素子は大きな閾値電圧シフト(10 V以上)を示し、良好な書込・消去特性、比較的長い電荷保持特性(1万秒以上)が得られることを明らかにした。電荷蓄積層の混合比や有機ゲート絶縁層の薄膜化によって、電荷保持特性や書込・消去時間の改善が可能であることが分かった。
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Journal of Physics: Conference Series
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Proceedings of the International Display Workshops
巻: Vol. 23 ページ: 1440~1441
巻: Vol. 23 ページ: 1380~1383