研究課題
ナノ構造を材料に導入することによって,その材料が本来持っている機能をさらに高めることができる.周期的配列構造を持つ金ナノ粒子と磁性ガーネット(Au/Bi:YIG)複合構造体では,プラズモン共鳴が複数現れ,それぞれの共鳴波長でファラデー回転角が増大する.本研究では,このような複合構造体を作製し,それらの光学および磁気光学特性を明らかにすることを目的とする.本研究の期間に実験結果とシミュレーションにより光学応答について考察を進めた.実験結果では,つまり複数のプラズモン共鳴が現れ,粒子のサイズと周期によって変化した.Au粒子の周期が250nmの場合,粒径が大きくなるとともにプラズモン共鳴波長が長波長へシフトした.シミュレーションによっても,この現象は再現された.また粒径120nmではプラズモン共鳴が660nmと730nmに現れるが,粒径が大きくなると2つの共鳴が重なることで,大きな光吸収が起こることが分かった.Au粒子では分極が生じるが,短波長側の共鳴では,極数が多い多重分極が現れ,極数と波長に関係があることが分かった.複合構造体の光学像を観察するため,無開口プローブを用いる近接場光学顕微鏡(SNOM)の開発を行った.開口光ファイバープローブでは100nm以下の分解能を得るのが難しかったため,無開口プローブを用いる方式のSNOMを開発した.電解研磨によるW探針を水晶振動子に取り付けて使用する方式,AFMカンチレバーの先の探針をチューニングフォークに取り付ける方式などについて検討した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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