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2014 年度 実施状況報告書

窒化物半導体の金属-半導体界面と水素との相互作用機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26420286
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

色川 芳宏  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (90394832)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード水素 / 界面
研究実績の概要

半導体デバイスと水素との相互作用によって、デバイス特性が変化することは古くから知られているが、その相互作用機構については謎が多い。「半導体デバイスの金属-半導体界面において水素がダイポールを形成する結果、デバイスの電気的特性が変化する」というモデルが1970年代に提案されて以来、このモデルに対する修正や変更は行われていない。しかしながら、提案されているダイポールモデルでは説明できない実験結果も、近年報告されており、水素ガスセンサー等のアプリケーション特性を向上させるためには、半導体デバイスと水素の相互作用機構を解明することが必須である。
電気化学の分野では、インピーダンス測定を行うことによって、対象となる系のLCR成分を解析することが行われている。一方、水素と半導体デバイスの相互作用機構解析においては、そのような測定例の報告はない。そこで、水素とAlGaN/GaNダイオードの相互作用機構を解析するためにインピーダンス測定を行った。
従来のモデル通りに、水素が金属-半導体界面にダイポール層を作るのであれば、水素起因の容量成分を示す半円が新たに生じるはずであるが、窒素中の半円の半径が小さくなるのみであり、新たな半円は生じなかった。この結果は、水素が金属-半導体界面にダイポール層を作る従来のモデルに疑問を呈している。
以上の知見によって、相互作用機構は以下のようにモデル化される。すなわち、水素雰囲気中では、デバイスの金属-半導体界面に原子状の水素が存在し、界面に存在する絶縁膜(自然酸化膜を含む)と何らかの相互作用をすることでバンドダイヤグラムに変化が生じる結果、デバイス特性が変化する。40年ほど前に提案された従来モデルと矛盾する実験結果も得られており、なお不明な点も多いが、新たなメカニズムの関与が予想される。将来的には、本知見によるセンサー等のデバイス特性向上が期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はインピーダンス測定を行い等価回路解析を行う予定であったが、予定通り解析を行えた。

今後の研究の推進方策

今後は予定通り、X線光電子分光および第一原理計算によって、より本質的に半導体デバイスと水素との相互作用機構を求めていく。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は試料作製に必要な基板、フォトマスクの購入を行う予定であったが、別途、必要な試料を入手することができたために出費を免れることができたため。

次年度使用額の使用計画

結晶成長装置の一部に不具合が生じており、そちらの修復にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Impedance Analysis on Hydrogen Interaction with Pt–AlGaN/GaN Schottky Barrier Diodes2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Irokawa
    • 雑誌名

      ECS Electrochemistry Letters

      巻: 3 ページ: B17, B19

    • DOI

      10.1149/2.0041411eel

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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