銅酸化物超伝導体に内在する固有ジョセフソン接合に対するバイアス安定化により、高出力なテラヘルツ波発振素子を実現することを目指し、以下の結果を得た。エネルギー保存則を考慮して計算された放射電力のバイアス依存性と時間依存性により、発振と非発振のバイアス境界を見出す際、素子近傍の見かけの放射電力が重要な役割を果たしていることを示唆した。また、素子のバイアス法を従来の単方向スイープから双方向スイープに変更することにより、放射電力が2倍に向上することを実験とシミュレーションにより示した。これらの結果は同素子のバイアス安定化とそれによる高出力化に有用である。
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