研究実績の概要 |
(1)温度制御型チューナブルフィルタ(TO-BPF)■フィルタ多層膜の成膜精度向上を図るため,成膜中のin-situ光学モニタ系を改良した.モニタ光のビーム径を(従来の0.8mmφから)0.03mmφに小さくすることでビーム面内での膜厚均一性を向上させ,光学モニタ光量変化を理論に近づけることに成功した.モニタ光の入出力にTECファイバを用いた.■前年度試作したTO-BPFチップの省スペースモジュールについて,今年度はチップを薄型化(0.5→0.2mm)して特性改善を図った.結合効率(-1.2dB→-0.7dB),波長シフトに必要な消費電力効率(22mW/nm)の特性改善に成功した.またTO-BPFチップを超小型加工(体積比1/100)して消費電力効率を高める可能性を見いだした.■昨年度改良したTO-BPF中心波長温度係数dλ/dT評価測定系に,今年度TECファイバ光学系を導入して測定精度の向上を図った.全温度10~150℃に渡りdλ/dT測定精度が一桁(1nm→0.1nm)向上し,信頼性ある測定系の構築に成功した.
(2)電圧制御型チューナブルフィルタ(EO-BPF)■強誘電性薄膜PLZTの電気光学効果を間接的に評価する目的で,PLZTのD-Eヒステリシスループを評価した.D-Eループ測定系を構築(ソーヤータワー回路の自作,二重波式電圧印加の採用)し信頼性を評価した上で,様々な条件で作ったPLZT薄膜のD-Eループを測定した.①PLZT膜厚,②RTA条件(ガス種,ガス圧)が強誘電性に大きく影響することを明らかにした.■ITiO膜の700℃耐熱性を得るための成膜条件を実験的に検討し,熱処理時のガス種を変更(Ar+O2混合ガス→O2純ガス)することで透明性と導電特性の向上に成功した.
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