研究課題
光パケット伝送では効率的な情報伝送のために情報を”パケット”として扱うが、伝送効率を改善するために、光受信回路のパケット応答の高速化が重要である。受信回路にディジタル制御を組み込むことで高速切替を実現するために、平成26~27年度には利得制御と波形等化の多値制御回路の構成法とディジタル制御方法の基本検討を行い、回路シミュレーションならびに基本機能を実装した集積回路によって動作検証を行った。平成28年度は当初計画に従いこの成果をもとに受信回路の高機能化とその検証を行った。具体的には、平成27年度に基本設計を行った集積回路の高機能化として、初期化信号自動生成機能と大容量伝送に対応した広帯域化の検討を行い、これらの機能を付加した受信回路の設計を行った。初期化信号はパケット信号受信時にパケット毎に受信回路の動作状態を初期化するもので前年度の検証によりパケット応答の評価を測定器で計測するために必要なことが新たにわかったため、集積回路内で高速に初期化信号を自動生成する回路の考案を行った。また、高速利得切替に対応した広帯域回路を考案し、これら機能を追加した受信回路について回路シミュレーションにより動作検証を行った。この結果をもとに集積回路作成のためのレイアウト設計を行い、計画通りにVDEC(東京大学大規模集積システム設計教育研究センター)による集積回路シャトルサービスを利用して機能を追加した集積回路の作成を行った。しかしながら、今年度試作した高機能版の集積回路では十分な特性が得られず、設計上の問題点を解析し修正設計を行い現在試作中で、今後、動作検証を行う予定である。また、検証した成果をまとめ、学会発表ならびに論文発表を行った。さらに、これまでの成果をまとめ、今後論文投稿を行う予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
電子情報通信学会和文論文誌C
巻: J100-C, No.1 ページ: 37-40