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2016 年度 実績報告書

人工シナプス用多チャンネル膜電位固定LSIの実現

研究課題

研究課題/領域番号 26420318
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中野 誠彦  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40286638)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード電子デバイス・機器 / LSI設計 / ブレインマシンインタフェース / パッチクランプ / 電流電圧変換器
研究実績の概要

本研究では神経細胞と直接やりとりを行う人工シナプス実現に向けてLSI設計を行った。膜電位固定法と呼ばれる手法を再現しており、細胞のイオンチャネルを通過する電流を取得するものである。その膜電位固定法に必要となる高倍率の電流電圧変換器を設計し50MΩフィードバック抵抗を標準CMOSプロセスを用いてオンチップ上に作成することにより低ノイズかつ高倍率を実現した。ポリ抵抗で実現した高抵抗は基板と容量結合し周波数特性を悪化させ、帰還容量のサイズによって発振を引き起こす。この問題を抵抗下のウェル電位を駆動することにより見かけの寄生抵抗を除去し安定かつ所望帯域(高域側7kHz から10kHz)を確保することを達成した。この方式は他研究機関(Yale Univ.)がSOS(サファイア)基板を用いて実現したものと比較し高倍率かつ安価となっている。入力換算雑音は2μpArms 以下の実測時を得た。
また、複数チャネルでシナプスとしての働きを実現するため多チャネル化に取り組んだ。5mm角のチップに16チャネルの増幅器を搭載したオンチップパッチクランプシステムを設計した。増幅率、帰還容量、補償回路、フィルタ周波数特性を可変としデジタル信号によって制御可能となっている。デジタル制御によりシステム統合が容易となっているため、4チップ64チャネルといった構成も実現可能である。
さらに、チャネル間のプロセスばらつきによる周波数特性を自動構成可能にするシステムを提案した。パルス波を内部的に生成しそれを信号経路に通すことにより周波数特性を同定し外部デジタル制御機器により校正可能な構成となっている。小電力パルス回路は疑似抵抗のバイアス電圧を調整することにより3.6nAから78nAの電流パルスを生成可能であり、所望の特性を得ている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] LSIパッチクランプシステムの周波数特性評価用微小電流パルス回路2016

    • 著者名/発表者名
      高坂 太郎, 久保 勝弘, 宮脇 貴統, 伊藤 孝太, 中野 誠彦
    • 学会等名
      第14回 再生可能集積システム研究会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-10-29 – 2016-10-29
  • [学会発表] Variable Frequency Characteristics Multi-Channel On-Chip Patch-Clamp System Using 0.18 μ m CMOS Technology2016

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Kubo, Taro Kosaka, Takanori Miyawaki, Kota Ito, Nobuhiko Nakano
    • 学会等名
      The 2016 International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems
    • 発表場所
      Phuket(Thailand)
    • 年月日
      2016-10-24 – 2016-10-27
    • 国際学会
  • [学会発表] 微小信号増幅器評価向け低雑音電源装置の試作と評価2016

    • 著者名/発表者名
      伊藤 孝太, 高坂 太郎, 田中 稜也, 出口 卓己, 中野 誠彦
    • 学会等名
      第44回アナログRF研究会
    • 発表場所
      リゾートホテル蓼科(長野県・茅野市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] Crosstalk evaluation of multi-channel on-chip patch-clamp system2016

    • 著者名/発表者名
      Takanori Miyawaki, Taro Kosaka, Masahiro Kubo, Nobuhiko Nakano
    • 学会等名
      KAIST-Keio-Tshinghua Workshop
    • 発表場所
      慶應義塾大学(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-08-02 – 2016-08-02
  • [備考] 慶應義塾大学理工学部中野研究室研究テーマ

    • URL

      http://www.nak.elec.keio.ac.jp/research/research.html#theme

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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