研究課題
今年度はデバイスプロセスの最適化と応用に向けたデバイス評価を行った。デバイスプロセスに関しては、基本的な構造の検証としてトンネル型の窒化物薄膜ー酸化物薄膜ー窒化物薄膜の3層構造からなる素子の作成を行った。今年度はさらにこれまで行ってきた酸化インジウムー亜鉛薄膜だけでなくビスマス酸化鉄薄膜(BFO)の導入を行った。BFO薄膜はRFスパッタ法とMOD法の2種類で成膜を行った。基板は格子不整合の少ないチタン酸ストロンチウム基板を用いた。その結果、室温でRFスパッタ法で成膜したBFO膜は表面の凹凸が激しく配向もそろっていない。一方でMOD法で成膜した膜においては高温で加熱、焼成することによって配向した膜が得られた。さらに窒化ニオブチタン(NbTiN)薄膜上にBFOを成膜した膜の低温輸送特性を測定したところ、スピン軌道相互作用の変化と思われる磁気抵抗の変調が確認できた。デバイスプロセスではトンネル接合の作成に関して、窒化アルミニウムバリアを用いた微小サイズ接合を実現するために平坦化プロセスを導入した。この平坦化プロセスの導入においてはこれまで行ってきたMgO基板上のエピタキシャル成長させたNbN接合の技術だけでなく、実施者が考案しTiNバッファーを用いたシリコン基板上エピタキシャルNbN接合を用いて実施した。その結果、漏れ電流が小さい電流ー電圧特性を持つトンネル接合の作成に成功した。今後はこれらの結果をもとにデバイス作成と実証を行う。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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