研究課題/領域番号 |
26420335
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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研究分担者 |
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
今井 卓 北見工業大学, 工学部, 助教 (00584575)
川村 武 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80234128)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 移動体通信 / 高度道路交通システム / シミュレーション工学 / 次世代交通システム / 情報通信工学 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究では「760MHz帯を用いた交差点自動車衝突防止システムの開発に関する研究」として、以下の研究を遂行した。尚、研究成果に関しては国際会議及び国内研究会等において積極的に発表を行った。 1) 760MHz帯車車間通信における交差点電波伝搬特性解析: 車車間通信システムの開発においては見通しの悪い市街地交差点での電波伝搬特性を把握することは重要である。電波伝搬特性を調べるための測定実験及び計算機シミュレーションにおいては半波長ダイポールアンテナ等の基準アンテナを波源として仮定する事が多い。しかし、車載アンテナの指向性は車両形状及び車両へのアンテナ取付位置等の影響により変化する。従って、電波伝搬特性におけるこれらの影響を把握する事が重要となる。本年度は、電磁界シミュレーションを用いて車載アンテナ取付位置及び受信アンテナ高が交差点伝搬損失特性に与える影響について明らかにした。 2) FDTD法におけるAVM感度解析に関する調査研究: 近年、アンテナの自動最適設計においては、効率的な感度解析手法が必要となる。本年度は、FDTD法における随伴変数法(AVM)の現状について調査した。来年度はFDTD法とAVM感度解析を用いたアンテナ最適設計システムを開発する予定である。 3) Multi-GPUを用いた超並列FDTDプログラムの開発: 近年、演算性能・エネルギー効率の向上が目覚ましいGPUを用いた高速数値計算が脚光を浴びている。これまで我々はSingle GPUを用いたFDTDプログラムを開発した。本年度はより高速な計算を行うためMulti-GPUを用いた超並列FDTDプログラムの開発を行った。本プログラムは既に車載アンテナ取付位置の指向性解析に利用されている。今後はアンテナ最適設計システムにも応用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書において平成26年度に実施を予定していた「ITS用周波数における自動車搭載時の性能評価」、「交差点電波伝搬特性」については、送信アンテナ取付位置及び受信アンテナ高を考慮した解析を行うなど当初の予定より研究が進んでいる。また、「電波到来方向推定」については現在MUSICアルゴリズムを用いた研究を進めており、平成27年度に成果を発表する予定である。更に、平成27年度以降に研究を予定していた「アンテナ自動最適化」については必要な随伴変数法(AVM)の調査研究、「GPU Parallel Computing」についてはMulti-GPUを用いたプログラム開発に前倒しで着手している。以上の状況から、総合的に見て概ね順調に進展していると判断出来る。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降は、平成26年度で得た知見を踏まえて「ITS用周波数帯を用いた交差点衝突防止レーダ」に関する研究を行う。更に、「アンテナ自動最適設計」のためのトポロジー最適設計システムを構築し、それを用いてITS周波数で利用可能な「多周波共用アンテナ」の開発を行う予定である。
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