研究課題/領域番号 |
26420341
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
有馬 卓司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20361743)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メタマテリアル / 負の透磁率 / FDTD法 / 等価回路解析 |
研究実績の概要 |
本研究は平成26年から28年までの3年の計画である.本年度は計画2年度目に当たりおもにシミュレーション,実験,調査の3点の研究をおこなった. まず,昨年度から引き続きシミュレーションによりマイクロ波領域で負の透磁率を実現できる構造の開発を行った.シミュレーション手法は昨年度に引き続き高精度に計算できるFDTD法と高速に計算可能な等価回路モデルによる解析を組み合わせ効率的に解析を行った.開発している構造は昨年度から引き続きループに切り目の入ったスプリットリング構造に金属ワイヤを組み合わせるものであった.構造を工夫することにより,昨年度開発していたものに比べてより広帯域に安定して負の透磁率を実現できることを示した.これら成果により本研究課題遂行の目処がついたと考える. また,本研究課題では実用化を強く意識しているために,実験的にその有効性を確かめることを大きな目標としている.そこで引き続き実験装置の開発を行った.実験装置は昨年度から開発しているもので,平行平板型でその間に開発している構造をはさみその反射と透過より電気特性を測定するものである.今年度はより安定して測定できるようにやや小型化したものを作製した.その結果,より安定して測定できるようになった.一部実験を実施したがその結果はシミュレーションによる結果とよく一致していることが示された.この成果をもとに実用化に弾みがついたと考える. さらに以上得られた成果をアピールするために国内外の学会において積極的に発表を行った.また,この分野は日進月歩であるので国際会議で調査を行うとともに国内外の研究者と積極的に議論を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的はマイクロは領域で負の透磁率を示す構造の開発に関するものであるが,本年度はシミュレーション及び実験でその基礎特性を示すことができたので,課題遂行に目処が立ったと言える.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は本研究の計画最終年度である.この2年間で得られた成果をもとに課題を遂行する.具体的には実験を主として行い負の透磁率を実現する構造の開発を行うが同時にシミュレーションによる構造の最適化も行う予定である.また,得られた成果について積極的に国内外の学会を通じてPRする予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
構造作製用部材について予定より安価なものを調達できた.
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次年度使用額の使用計画 |
実験回数を増やす予定であるのでその際の消耗品として使用する.
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