研究課題/領域番号 |
26420342
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
羽鳥 好律 神奈川工科大学, 情報学部, 客員教授 (20361769)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 映像信号高能率符号化 / 非直交変換符号化 / 非因果的符号化 / ハイブリッド符号化 / 視点内挿 |
研究実績の概要 |
平成26年度における研究の実績としては、 第1の課題として、今後、非直交関数系の検討を進めてゆくためにもその位置づけを明確にする必要が有るので、標準化が予定されているHEVC符号化方式と本提案方式の要素技術の特性上の性能比較評価を行った。特にHEVCに対し、Iピクチャフレーム内予測残差信号に対し非因果的内層予測機能を追加する方式を検討し、多くの画像信号に対し符号化効率の向上が図れることが確認できた。本研究結果をまとめ、学術雑誌に投稿した。 第2の課題としてフレーム間動き補償予測符号化(Bピクチャ符号化)への、適応方式の拡張検討を開始した。具体的には、非因果的内層予測方式(IP)をBピクチャ符号化に適用した時の予測誤差電力レベルでの性能比較、帰還最適係数導出のための導出式の見直し、誤差拡散係数計算式の導出、このパラメータを用いた最適制御によりシーンチェンジ時の符号化画質の向上が図れること、を明らかにした。本項に関する知見の一部を纏めて、国際会議で発表した。 第3の課題として、最終年度に予定している多視点画像符号化方式のための予備検討項目として、焦点の異なるステレオ画像からの線形フィルタによる視点内挿法について理論検討を行い、結果を纏めて学術雑誌に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第1項、第3項に関しては論文投稿まで進んだが、今年度中の掲載確定に至らなかった。 第2項に関しては、一部の項目については詳細検討中であり、概ね順調ではあるが予定していたよりはやや成果の出方が遅れている状況と認識している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究実施計画として、 第1の課題として、平成26年度の計画第2項分の遅延を取り戻す。 第2の課題として、I,Bピクチャのすべてを非直交関数系の符号化で実現したトータルの符号化セットを完成させて、その性能評価を行う。そのためには、非直交関数系に適した条件付き画素補充制御の方式の洗練化とバッファー制御のためのパラメータ制御方式の検討を進める。 第3の課題として、8K映像信号を用いた超高解像度映像信号に対する評価実験が行えるように環境を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に投稿した論文が、年度中に掲載とならなかったので、予定していた論文掲載料の支出が行われなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
投稿している論文が採録となった場合に、論文掲載料として支出する。
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