平成28年度における研究の実績としては、 第1の課題として、動き補償予測有のフレーム間非因果的内挿予測+フレーム内非因果的内挿予測を組み合わせたハイブリッド符号化方式の検討を進め、提案方式の実装を行った。各テストシークエンス毎に、BDレート及びエントロピーVS.PSNRの測定を行い、既存のHEVC方式より同一伝送速度において,絵柄によって1.77dBから0.13dB程度優れた符号化効率が実現出来ることを示した。これらの結果及び昨年度既に行っていた先行研究結果を纏めて論文の投稿1件と国際会議での発表1件を行った。 第2の課題として、多視点映像の視点間内挿に適した非直交変換符号化方式の検討を進め、新たに導入した誤差拡散率pを制御パラメータとして用い、視点補間された特定の画素(視点方向)に誤差が集中することを防止する「多視点映像用の最適量子化方式」の実現量子化係数パラメータを解析的に導出し、その実装を開始した。 第2項の課題に関しては、有望な結果が得られ始めているが本研究助成は今年度で修了するため、引き続き検討を継続するために他の研究課題への統合を検討中である。
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