この研究は,主にWiFi帯でのMIMOドップラレーダを構築し,屋内マルチパス環境下での人物位置推定の実現を主目的として実施されたものである. WiFi帯での屋内人物位置推定は,壁面等による強いマルチパス波の存在のため実現困難であった.本研究ではLinear FM方式のMIMOドップラレーダシステムを構築し,人物の動きに伴う微小なドップラ周波数成分を取り出すことにより,明瞭に人物の検出および2次元位置推定が可能となることを示した.さらにMIMOレーダ方式とカトリ・ラオ処理を併用した仮想アレー手法を提案し,少ない素子数で,数倍規模の仮想アレー処理を実現した.これにより角度分解能特性が改善された.
|