昨年から始まった8Kスーパーハイビジョン試験放送では、22.2チャネル音響が採用されている。このような多チャネル音響を家庭で再生することは難しいため、我々は本来の臨場感を保ちながらより少ないチャネルで再生する8.1チャネル方式を開発した。 伝送チャネル数を増やさずに22.2チャネル信号と8.1チャネル信号を伝送するスケーラブル伝送を行うためには、信号変換が必要である。ところが、変換した信号を圧縮符号化すると、復号して逆変換を行う際に、他の音でマスキングされるはずの量子化雑音が顕在化する。そこで、伝送量を増やさずにこの雑音を抑圧する方法を研究し、処理遅延340msで雑音を25dB以上抑圧した。
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