研究課題/領域番号 |
26420350
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
今村 幸祐 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (00324096)
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研究分担者 |
松田 吉雄 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (20401896)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療画像処理 / スパースコーディング / ノイズ除去 |
研究実績の概要 |
平成27年度の検討事項は、ハードウェア実装を考慮したアルゴリズム全体の最適化,VLSIアーキテクチャの設計および前年度で得られた成果についての性能評価であった。これら研究計画に対する具体的な検討内容と成果は以下の通りである。 (1) ハードウェア実装を考慮したアルゴリズム全体の最適化:画像のスパース表現のためには,画像をブロック分割した画像パッチに対して,近似に最適な基底辞書を選択する必要がある。この基底辞書の選択には多くの計算量が必要であり,特に解像度の高い医療画像を用いた診断への適用を考慮すれば,処理を待つ時間を意識する必要が無い程度の高速化を実現することが望ましい。基底辞書選択において,画像パッチとの初期内積値が高いものが選択される頻度が高いという知見が本検討において得られたため,これを利用した高速辞書選択アルゴリズムを提案した。さらに係数最適化後の近似誤差を最適化前に推定することで係数最適化演算回数を削減する手法を提案し,高速化アルゴリズムの改良も行った。この成果について学会発表を行なった。提案したアルゴリズムはハードウェア実装時における消費電力の観点からも有用である。 (2) VSLIアーキテクチャの設計:上記のアルゴリズムへの適用を考慮し,また係数最適化演算自体の高速処理を加えた高速辞書選択ハードウェアの設計を進めている。高速辞書選択アーキテクチャ設計のためのアルゴリズム設計は概ね完了している。 (3) 前年度で得られた成果についての性能評価:得られた結果は随時性能評価を行い,今後の研究のために活用している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の各項目について、下記のような成果が得られており、順調に進展していると考えられる。 (1) ハードウェア化を考慮したアルゴリズム全体の最適化:ハードウェア化を前提として高速化および低消費電力化に有用なスパースコーディングのための基底辞書選択法を提案している。学会発表も行なっており,順調に進展している。 (2) VLSIアーキテクチャの設計:スパースコーディングのための高速辞書選択のアーキテクチャ設計に向けたアルゴリズム設計は概ね完了しており,次年度に向けて順調に進展している。 (3) 前年度で得られた成果についての性能評価:随時性能評価は実施しており,今後の研究に活用している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本年度の検討事項に加えて,以下の項目について検討を進める。 ・VLSIの設計・試作 ・医療診断補助のための画像処理技術の開発 ・他のノイズ除去手法への開発技術の適用 次年度の予算は、国内外での情報収集および成果発表を行うための登録料および旅費として使用する。また,VLSIの設計・試作のための費用とする。専門家による評価が必要な場合は,医師や技師を対象とした評価実験の謝金として使用する。
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