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アンライセンスバンドで運用されるプライベート無線ネットワークの伝送特性の向上を図るためには，アンライセンスバンドで運用される各種プライベート無線ネットワークが互いに協調した周波数資源の利用が求められる．
一昨年度の研究では，最も協調し易いネットワーク形態である『同一規格・単一無線ネットワーク内協調』を対象とした検討を，また，昨年度の研究では，『同一規格・複数ネットワーク間協調』，『異種規格・複数ネットワーク間協調』を対象とした検討を行った．
アンライセンスバンドで運用される無線ネットワークの特徴として，伝送に用いられる周波数帯の多様化（ミリ波帯アンライセンスバンドとマイクロ波帯アンライセンスバンドの併用），ならびに，アクセスポイントと端末からなるネットワークそのものの移動が挙げられる．ネットワークそのものが移動する環境では，協調関係を構築する複数のネットワークの相対的な位置関係（例えば，自ネットワークと周波数資源を共用する周辺ネットワークとの距離など）は時々刻々と動的に変化するため，それら動的な変化を踏まえた上で，伝送に利用する周波数帯を適切に選択し，互いに協調可能なネットワークの構築が求められる．
そこで今年度の研究開発では，ミリ波帯およびマイクロ波帯の双方の周波数帯を利用し得る複数の無線ネットワークが時々刻々と移動する環境での互いに協調可能な無線ネットワークを構築するための媒体アクセス制御プロトコルおよびリソースマネジメントアルゴリズムを開発した．また，同一伝送空間内に存在する複数の無線ネットワークが共用するアンライセンスバンドの周波数資源を，個々のネットワークの状況に応じて集中管理するためのリソース管理局を設置するネットワークアーキテクチャを考案し，その有効性を明らかにした．
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