これまで実現されていない超高次のデルタシグマ変調器(ΔΣ変調器)を,ロバスト制御理論に基づいて理論的に設計する方法を構築した。ロバスト制御理論としては,μ設計法,およびスライディングモード制御理論を採用した。ΔΣ変調器の設計問題を,それぞれの制御理論によって解釈することができるように,ΔΣ変調器のシステム構成を再構築し,それぞれの制御理論を適用する際のパラメータ値の選択,評価関数の設定の最適化を含めたシステムの再構成を行った。 構築した方法によって,11~12次に至りしかも高い安定性と信号対量子化雑音比を有する超高次のΔΣ変調器を実現し,それを用いた高精度・高能率のA/D変換器の可能性を示した。
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