| 研究課題/領域番号 |
26420361
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| 研究機関 | 佐賀大学 |
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研究代表者 |
豊田 一彦 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80612663)
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| 研究分担者 |
田中 高行 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (60207107)
西山 英輔 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30295026)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | アンテナ / RF信号処理 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は，空間波動信号処理に向けた平面機能アンテナとして，平面型マジックTと平面アンテナを一体化することによって指向性可変機能および到来角推定機能を持たせた機能アンテナの検討を行った．マジックTは，2つの端子から入力した高周波信号の和信号および差信号を生成する機能を持っており，2つの端子から入力した信号，あるいは，2つのアンテナで受信した信号を高周波(RF)領域で信号処理することができる．このマジックTを平面構成で実現し平面アンテナと一体複合化することにより，非常にシンプルな構成で指向性制御機能および到来角推定機能を実現することができる．本構成に基づいて，2つの信号の振幅比によって電波の放射方向を制御する指向性制御アンテナと2つのアンテナで受信した信号から電波の到来方向を求める到来角推定アンテナを試作し，その原理を確認し，性能について検討した．
また，到来角推定アンテナについては，希望波以外の電波を受信した場合の推定誤差についても試作した到来角推定アンテナの性能を反映して理論的に検討し，そのレベルが20dB以下であれば推定角は7度以下であることを確認した．この結果は国際会議で学生論文賞のファイナリストに選ばれるなど高く評価された．
以上の研究成果については，査読付き国際会議，研究会，学会大会で発表するとともに，海外で行われた国際会議の基調講演や国内で開催された国際ワークショップの招待講演，国内ワークショップのチュートリアル講演で発表した．研究会講演については，学生発表の最優秀賞を受賞した．
さらに，ビームトラッキングアンテナについても検討し，移相器とマジックTおよび平面アンテナを一体化した機能アンテナの基本検討を行い，基本原理を確認した．現在発表準備中である．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ波回路と平面アンテナを一体複合化することによって高周波(RF)領域で送受信信号を信号処理する指向性可変アンテナおよび到来角推定アンテナについて検討を行った．その結果，指向性可変機能および到来角推定機能が非常に簡易な構成で実現できることを確認した．また，これらの機能アンテナに一体複合化することを目的として増幅器や検波器・移相器について検討し，試作によりその特性を確認した．
本検討結果は，査読付き国際会議1件，国際会議基調講演1件，国際フォーラム1件，研究会1件，大会1件，チュートリアル講演1件の外部発表を行っている．
また，指向性可変機能および到来角推定機能の2次元化に向けて，新しい構成の平面型マジックTについて検討し，概ね良好な特性が得られた．
さらに，ビームトラッキングアンテナについて，マジックT，移相器および平面アンテナを一体化した構成について検討し，その基本原理を試作により確認した．これについては，現在詳細なデータの取得および発表準備を行っている．
以上，概ね計画した通り順調に進展している．
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| 今後の研究の推進方策 |
現在は1次元方向の指向性制御および到来角推定機能を実現しているが，今後新しい構成のマジックTを導入し，2次元指向性制御および2次元到来角推定機能をもつ平面アンテナについて検討する予定である．
さらに，到来角推定アンテナの推定角度の広角度化やビームトラッキングアンテナについて，シミュレーションおよび試作により検討していく．
ビームトラッキングアンテナについては，ビーム追尾のアルゴリズムについても検討し，最終的には制御回路を一体化した機能アンテナを実現する方向で研究を進める．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進捗し，試作回路・試作アンテナの個数が当初想定していたよりも少なくて済んだ．このため，ダイオードやトランジスタなどの半導体デバイス，誘電体基板の購入費を節約し，有効に利用することができたためである．
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| 次年度使用額の使用計画 |
本年度の研究で良好な結果が得られたため，次年度以降は研究をさらに進展させる．このために試作回路・試作アンテナの台数が増えると見込まれる．また，十分な性能が得られた場合，製造上のばらつきなどについても検討する必要があり，このためにも基板や半導体部品，コネクタなどが多数必要となるため，これらの購入費用とする．
また，研究成果を積極的にアピールするため，国際会議などへの投稿を予定しており，そのための旅費として使用する予定である．
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