研究課題/領域番号 |
26420363
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
朝香 卓也 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (30346043)
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研究分担者 |
高橋 達郎 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30324677)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | センサデータ / 仮想化ネットワーク / DHT / M2M / データ管理 |
研究実績の概要 |
各種センサデータ等のM2M ビッグデータを効率的に管理運用する技術は将来の生活やビジネスを支える基盤技術と期待されている。しかしながら、逐次的に測定・生成される大量のセンサデータ群をデータセンタ等で一元的に収集・管理する方法は、利用されることのないデータも収集・管理することとなり、ネットワークやサーバリソースの観点からは効率的ではない。そこで、本研究では、各センサノードにおいて測定データを分散管理し、必要に応じてセンサノードからデータを取得することを可能とする「多階層DHT 仮想化ネットワークを用いたセンサデータ分散管理手法」の創出し、プロトタイプ実装し、その有効を実験的に検証することを目的としている。 初年度では、実際に発生した地震や放射能漏れ等を対象に実測データをとりよせ、仮想化ネットワークを用いて、分散配置された各センサノードを連結する際のトポロジー構成法について検討を行った。測定されたデータの属性(測定項目種別や測定された値等)に応じて、適切な仮想化ネットワークの数やその形状は異なることが予想されることから、実際の測定データを用いた分析を行うことから、実用的な多階層の仮想化ネットワークの構成法の構築を目指す。また、この段階で仮想ネットワーク上の分散データ管理法として、構造化P2P 技術(DHT)の最も簡易なChord を用いた。ここでは簡易な計算機シミュレーション評価により、多階層仮想ネットワークの有効性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、実際の測定データを用いた分析を行うことができ、また実用的な多階層の仮想化ネットワークの構成法の基本検討、さらには簡易な評価ができた。しかしながら、当初想定していなかったネットワーク制御の複雑さやそれに伴う性能劣化が発生することが新たにわかった。 初年度全体としてはおおむね順調といえるものの、来年度に向けて当初想定していなかった課題を残した。
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今後の研究の推進方策 |
2年度では、初年度の検討による顕在化した新たな問題「ネットワーク制御の複雑さやそれに伴う性能劣化」について検討を行う。 これら課題を解決した後、当初計画にあった、ネットワーク上に分散的に存在するクライアントからのセンサデータ要求内容に応じで、適切にデータ検索・転送を可能とするセンサデータ分散管理手法の検討を行うものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に購入予定であった「テストベッド用実験装置」およびそれ関わる機器類の購入ができていないことが、また、国際会議発表で国外へ出張する予定であったが採択されずに出張ができなかったことが、主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
2年度において「テストベッド用実験装置」およびそれ関わる機器類の購入を行う。また、国際会議発表で国外へ出張する予定である。
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