研究課題/領域番号 |
26420366
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
久保田 寛和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70501063)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モード多重通信 / モード分離 / 平面光波回路 |
研究実績の概要 |
初年度の目標は、研究計画Aの第1の目標のLP11xモード、LP11yモードの分離である。素子のデバイスとして平面光波回路(以下PLC)を用いたものを中心に検討を行った。 研究計画では厚み方向にテーパーを持たせる構造を案としてあげていたが、よりPLCに適した厚みが一定の構造でLP11yモードを分離する方法を考案し、その分離特性に関して、数値シミュレーションにより分離が可能であることを確認した。この数値解析には数cm(使用する光の波長で数千波長)もの巨大な3次元構造中の光伝搬の計算が必要となるため、これをPCワークステーションで高速に実行可能である固有モード展開法のパッケージソフトFIMMPROPを用いた。 LP11yモードを分離する素子は石英ガラス系PLCで作成することを想定しており、その寸法は幅100ないし200ミクロン、厚みは数十ミクロン、長さ2cm程度である。これまで提案されているLP11xモードを分離するPLCと今回検討したLP11yモードを分離するPLCを1枚のPLC基板上で作成し、従属接続することで、目標とする3モード(2LPモード)の分離を行う素子が実現できる。 このLP11yモードを分離する方法に関して、2015年1月に開催されたレーザー学会全国大会にて報告した。数値解析により求めた素子のパラメータ範囲を詰めそれが実際に作成可能なものであるか否かに関して、H27年度中に研究協力者に意見を聞く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平面光波回路(PLC)に適した厚みが一定の構造でLP11yモードを分離する方法を考案することができ、数値シミュレーションによりその特性を確認できた。 LP11xモードを分離するPLCの寸法は数mmであり、今回提案したLP11yモードを分離するPLCの大きさを合わせても2cm程度であるため、1つの基板上に十分集積可能であり、所期の目標のひとつである3モードの分離を行う素子実現の可能性がみえたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
LP11xモードを分離するPLCとLP11yモードを分離するPLCでは導波路の屈折率、高さ等のパラメータが異なっている。2つのPLCを1枚のPLC基板で作成する際にはこれを統一する必要がある。H27年度はPLCのパラメータを統一したうえで縦続接続し、3モード分離を行う場合の特性に関して数値解析を行う。 また、計画(B)の分離後の信号の純度を測定する方法の検討を進める。分離素子の作成は今回の予算計画外であるため、分離後の信号を模擬した光源を用いて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内行事のため予定していた国内会議出席をとりやめたため、その旅費分の差額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度の国内会議・国際会議参加旅費の一部に充当する
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