研究課題/領域番号 |
26420373
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
岩村 惠市 東京理科大学, 工学部電気工学科, 教授 (10434028)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 秘匿計算 / 秘密分散 / 個人情報保護 / 個人制御 / 高速処理 / センサネットワーク |
研究実績の概要 |
①実装による非対称秘密分散法の有効性実証:本年度は科学技術振興機構と東京理科大学が共同で主催(特許庁後援)した新技術説明会での発表、及び九州大学マス・フォア・インダストリ研究所が主催する研究集会 "Secret Sharing for Dependability, Usability and Security of Network Storage and Its Mathematical Modeling"で招待講演を行った。
②非対称秘密分散法に適した秘匿計算:ICETEが主催する国際会議8th Data communication networks (DCNET 2016)において発表(査読あり)し、Student Best Paper Awardを受賞した。また、IEEEが主催する国際会議GCCE2016及びAINA2017のワークショップにおいても発表(査読あり)した。この研究は情報処理学会論文誌において条件付採録となっており、現在対応中である。
③EXORを用いた非対称秘密分散法の新たな応用:昨年条件付採録であった論文が正式に採録された。また、ICETEが主催する国際会議14th International Conference on Wireless Networks and Mobile Systems (WINSYS2016)において発表(査読あり)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
①実装による非対称秘密分散法の有効性実証:昨年度のイノベーション・ジャパン2015及びコンピュータセキュリティシンポジウム2015でのデモ展示を経て、本年度は上記新技術説明会の発表でさらに共同研究する企業が増え、上記招待講演なども行われた。
②非対称秘密分散法に適した秘匿計算の提案:本研究は上記国際会議DCNET2016で、Student Best Paper Awardを受賞した。全4件の国際鍵発表が行われ、現在条件付採録となっている情報処理学会の論文が採録されれば、その成果は確定的なものになる。
③EXORを用いた非対称秘密分散法の新たな応用:現在、この研究のIoTセキュリティへの展開を研究しており、秘匿検索を含めたさらなる応用を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
①の実装は昨年完成していたが、共同研究する企業が増えるなどさらなる成果が得られ、今後も発展が期待できる。
②論文誌への採録が決定すれば、理論的には第1段階の完成となる。ただし、現在さらなる高速化・機能追加を検討しており、さらなる発展が期待できる。
③IoTセキュリティへの展開を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は最終年度であるため研究成果発表に重点を置き、4箇所の国際会議で発表を行ったが、リスボンを除き日本2箇所、台湾など近場が多かったため使用額が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
成果発表はまだ続いており、現段階で平成29年度では日本で3件、カナダで3件の発表を予定している。現在、事業期間延長が承認されており、上記計画によって、残額は使い切ると考えられる。
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