研究実績の概要 |
H27年度には,H26年度の研究成果を踏まえて以下の3つの研究項目: (1)2次元 VBF設計法の開発,(2)2次元のVFB-DWTの計算法検討,(3)2次元VFB-DWTを表面異常検査への応用と評価,を行った.2次元のマザーウェーブレット(MW)の特徴としては,MWの波形の進行方向がMWの周波数成分の2次元周波数平面上での位置に対応している.申請者はこの研究成果に基づいて2次元MWの方向の定義を考え,自由な方向選択性を持つVBFフィルタの設計法を提案した.この方法はまず2次元周波数平面上で検出したい方向成分の位置を定め,カットオフ周波数f1,とf2で表す.次に従来のバンドパスフィルタの領域からカットオフ周波数f1,とf2のロー・ハイパスフィルタにより目的領域を切り出してVBFの通過フィルタの領域とし,残った領域を阻止フィルタの領域とする.よって方向成分の位置をカットオフ周波数f1,とf2で定めれば,自由に2次元 VBFを設計できる.そして対角方向におけるフィルタの適用指針を提案し,複合Layerへの適用を試みた.さらに提案手法を橋床のひび検出に応用し,その有効性を確認した。
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