研究課題/領域番号 |
26420392
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
村上 洋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00416512)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小径穴測定 / 微細形状測定 / 光ファイバプローブ |
研究実績の概要 |
MEMS・マイクロマシン用部品や微細金型などの立体的で微細な三次元形状が増加しており、これらを精密に測定するニーズが増加している。そこで、直径0.5 μmの極小径の光ファイバを用いた接触式プローブを用いることにより、低測定力・検出機構が簡便で1 μm以下の溝や穴を有する微細形状を数 nmの分解能で測定可能なプロービングシステムの開発を目的とする。本年度は、直径1 μm以下のプローブに対応した装置とするため、現状使用している波長650 nmのレーザ光源を波長375 nmのレーザ光源に変更したシステムに改良した。また、現状測定中の状況は測定対象物の斜め上方からCCDマイクロスコープにより観察しているが、測定対象物とプローブとの位置関係が把握しにくいため、システムの改良に伴い、傾斜ミラーを用いることで測定対象物の上方から直接観察可能なように改良した。さらに、表面間力(液架橋力、ファン・デル・ワールス力、静電気力)による接触子の測定対象面への付着防止のため(接触子が付着すると測定時間、精度に影響する)、真空容器内で測定可能なシステムを試作し、真空容器内の圧力が表面間力に及ぼす影響について理論解析および検証実験を実施した。理論解析の結果、付着の主な原因は液架橋力と分子間力であることが判明した。そこで、液架橋力の低減を目的として真空容器内で測定可能なシステムを試作し、真空容器内の圧力が表面間力に及ぼす影響について調べた結果、真空容器内圧力が約350 Paの場合で表面間力は約135 nNであり、初期状態(大気圧)比で約4割に低減できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定の装置改良などの項目は全て実施し、さらに表面間力の影響の理論解析や影響を低減させるための真空容器の製作および検証実験等を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定では、スタイラスに用いられている接触子の真球度は未測定であり、三次元形状を精密に測定するためにはスタイラス接触位置(接触子中心座標)を特定し、その位置におけるスタイラス接触子の半径を補正(接触子中心座標から実際の接触点への座標変換作業)する必要があるため、接触子の半径や形状の精密測定手法や接触子半径の補正アルゴリズム・手法の開発を実施する。
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