巨大橋梁において,計測が困難な斜張橋の主塔を自在に走行可能な電磁アクチュエータ群を試作し,新たな計測システムを構築するための検討を行った.アクチュエータ単体において,電磁石に0.2Wの入力電力を加えた場合,2.2Nの牽引力を発生することを示した.また,アクチュエータの保持部をユニバーサル型の回転可能な構造とし,2本のSMAワイヤーを取付け,ワイヤーを収縮させることで往復移動に対応させた.更に,柔軟なシリコンゴム材を用いて,アクチュエータを2連結することで,4.4Nの最大牽引力を示した.電磁アクチュエータ群は,1台の電力増幅器と信号発生器のみで構造物の外観検査を可能とすることを明らかにした.
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