研究課題/領域番号 |
26420402
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研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
横井 直倫 旭川工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60353223)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 計測工学 / 血流計測 / ストレス診断 / 遠隔医療 / 画像処理 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、タブレット端末により2波長分のスペックル画像の同時撮影を行えるセンサユニットの自動制御化を実施し、本タブレット端末にソフトウェアを搭載してセンサユニットからの動画データの解析により得られる自律神経機能指標(Low Frequency/High Frequency: LF/HF)と血中酸素飽和度に基づきストレス状態を判定できるストレスモニタを構築した上で、皮膚血流を対象とした試験により本ストレスモニタの性能を確認することを目的として研究を遂行した。まず、照射ビーム径およびCCDカメラの位置の自動調整を実現するためセンサユニットの各可動部に新設のサーボモータを組み込み、新設のタブレット端末とセンサユニットを現有のサーボモータ・コントローラおよびインターフェースを介しUSB3.0で接続して、タブレット端末によりセンサユニット全体の自動制御を行えるようにした。次に、タブレット端末上にLF/HF解析用ソフトと血中酸素飽和度解析用ソフトをインストールし、加えてスペックル画像の解析からストレス状態の5段階(ストレスの軽微な順に1~5)での判定に至るまでの一連の計測過程を一括して統合管理操作できるソフトウェアを開発してインストールすることにより、タブレット端末をベースとしたストレスモニタを構築した。さらに、本ストレスモニタと新設の心電計およびパルスオキシメーターを用いて皮膚血流を対象とした脈波計測の比較試験を実施し、本ストレスモニタが既存の装置と同等の脈波信号を検出できる性能を有することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、センサユニットの自動制御化に関しては、新設のタブレット端末と本研究で開発したセンサユニットをインターフェースを介して接続することにより、タブレット端末によるセンサユニット全体の自動制御を実現することができた。次に、ストレスモニタの構築に関しては、タブレット端末にソフトウェアを搭載することにより、LF/HFと血中酸素飽和度を同時解析できる、タブレット端末をベースとしたストレスモニタを開発することができた。さらに、本ストレスモニタの性能確認に関しては、ヒトを対象とした肉体的および精神的ストレス下における試験により、本モニタがストレス状態の判定に有効なことを確認することができた。従って、センサユニットの自動制御化、ストレスモニタの構築、ならびに本ストレスモニタの性能確認をいずれもほぼ目的通りに実現することができたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
ストレスモニタに関しては、現状ではシステムの不安定さをやや有するため、今後、制御系の改良を行うことでより安定したシステムにしたいと考えている。また本ストレスモニタの性能試験に関しても、現状では腕の圧迫や思考といったごく限られた肉体的および精神的ストレス下での有効性の確認にとどまっており、今後、多様なストレス下における試験を実施し、より実用性を裏付けられる成果を得たいと考えている。
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