本研究では,1型糖尿病患者の血糖値を一日中適切な範囲に維持するため,食後および夜間の糖代謝モデルと血糖値制御法について研究を行った.まず,食事時の血糖値変化を精確に推定するため,炭水化物,脂質,および蛋白質を含む食事に対する糖代謝モデルを構成した.また,食事の事前情報に基づいて食前からの最適なインスリン投与スケジュールを与えるフィードフォワード制御と食後の血糖値変化に基づいてインスリンを調節するフィードバック制御を組み合わせた血糖値制御法を提案し,食事時にアメリカ糖尿病学会が推奨する血糖値範囲での維持が達成できることを示した.さらに,睡眠時の血糖値上昇現象である暁現象のモデル化も行った.
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