研究課題/領域番号 |
26420419
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐伯 正美 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60144325)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 制御系CAD / パラメータ空間設計 / 3次元可視化 / 並列計算 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,申請者のいままでの成果を発展させて,3次元可視化に基づくパラメータ空間法を構築し,2つの制御系設計問題に対する設計法を確立することである.ひとつは線形制御器を凌駕する性能を発揮する非線形制御器の設計問題であり,もうひとつは最適制御理論の評価関数の重みの過渡応答を用いた選定問題である. 前年度に,ボリュームデータが与えられる場合に,このデータを用いて3次元パラメータ空間における等値面を描画するソフトウエアをMATLAB上で作成している.この描画システムを用いると,複数の等値面を重ねて描け,複数の仕様を同時に満たすパラメータ値を容易に見つけることができる. 本年度は,1入力1出力の制御対象の周波数応答データを用いて,ロバスト制御のための感度制約や相補感度制約を満たす制御器の設計法について検討した.これはPID制御器だけでなく位相進みや遅れ補償器のようなパラメータが線形に含まれない場合にも適用できる方法であり,従来の平面法に比較して優れている. GPUによる並列計算プログラムをMATLABの並列計算toolboxを用いて作成できた.数値実験ではボリュームデータの計算が1秒以内で計算でき,十分に実用的であることを確認した.さらに,H∞制御の評価関数で3つのパラメータを指定して,これらのパラメータと評価関数の関係を3次元パラメータ空間に描画する課題を検討した.これに関してはparforコマンドを用いてボリュームデータを計算し計算時間の評価をおこなった.計算時間は数分かかるが,設計上は許容範囲内で計算できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回は周波数応答データが与えられるとして,ボリュームデータの計算プログラムの開発を行った.これはMATLABのGPUのツールを用いて作成できた.許容集合の描画システムの開発については,担当する学生が入れ替わったが,新人でも前年度のプログラムを一部書き換えることで描画システムを構築できた. 当初予定していたL2ゲインの計算の高速化と少ない格子点の計算による高速化は行っていない.これはGPUの並列計算が可能であれば,十分に高速に計算可能であることが分かってきたことによる.最適制御やH∞制御の評価関数の重みの選定の課題については,研究を始めているが,parforでの計算のみでGPUでの計算プログラムは作成できていない.これはToolboxの制約による.しかしながら,parforでも数分程度の時間をかければ計算できるので,今後は応用面での利用法や有用性の検討が必要と考えている. 以上のように,予定以上に進展した部分とそうでない部分があるので,おおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
28年度は数式モデルが与えられる場合のパラメータ空間設計法を引き続き検討する.すなわち,最適制御の重み関数の選定法を検討し,具体例について有用性を検証する.具体例として,2慣性系の軸トルク制御問題をとりあげ極配置,過渡応答,ロバスト制約など複数の制約を満たす解領域をパラメータ空間に描画し,設計を試みる.さらに,当初の予定には含まれていないが,パラメトリックなモデル誤差に対するロバスト制御器のパラメータ空間設計法を検討することにした.並列計算を利用するのでランダマイズドアルゴリズムによる領域の確かさを確率的に保証する方法を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
出張経費などの価格が予定以下であったことによる.
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次年度使用額の使用計画 |
電子部品費の購入で使用する計画です.
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