研究課題/領域番号 |
26420460
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長尾 文明 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40172506)
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研究分担者 |
野田 稔 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (30283972)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 円柱の後流振動 / ウェイクエクサイテーション / 風力発電 |
研究実績の概要 |
複数物体において,上流側物体の後流に位置する円形断面の構造物や部材には,上流側物体の後流と下流側円形断面物体の相互干渉作用によって,後流振動とも呼ばれる空力不安定振動(ウェイクエクサイテーション)が発生するが,その振動発生のメカニズムは完全には明らかになっていない.そこで,本研究においては,円柱に生じる後流振動のより詳細な発生機構解明とこの極めて空気力学的に不安定な現象を,風力発電に利用し,近年の懸案事項であるCO2削減に多大な貢献を果たそうとするものである. 昨年度の研究において,高レイノルズにおいては,円柱の軸方向に作用する空気力の非一様性がウェイクエクサイテーションの発生を抑制していることが懸念されたため,本年度は,円柱に作用する表面変動圧力や振動の励振力となる変動揚力のスパン方向の空間相関について,単独円柱と並列2円柱を対象として,まずは,亜臨界領域のレイノルズ数において風洞実験によって検討した.その結果,単独円柱においては,カルマン渦による変動圧力と変動揚力に,スパン方向に一様な分布となる空間相関を高める変動とスパン方向に節を有し空間相関を減少させる成分の変動が存在することが明らかとなった.これは円柱の長さが長くなるほど顕著であった.並列2円柱の場合にも同様なことが確認されるとともに下流側円柱の表面変動圧力には,上流側円柱からの剥離流による変動成分の存在も明らかとなった.さらに,下流側円柱においてはカルマン渦に起因する変動圧力と上流側円柱からの剥離流による変動圧力の相関が円柱間隔によって異なることが明らかとなり,ウェイクエクサイテーションの発生と密接に関連していることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度において,新設された風洞実験装置に初期不良が生じ,平成26年度において予定の6割程度の進捗となった.平成27年度において,その遅れを取り返すべき努めたが,風洞装置を優先的に使用したが,完全には遅れを取り戻すことができておらず,やや遅れていると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度となるため,研究計画に沿った研究の推進を予定している. 研究遂行上の大きな課題はない.
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