本研究は新たな林野火災解析法の構築を目指したのである.この成果は以下の3点にまとめられる.1つ目は,燃焼時の高温かつ密度変化を伴う気流を再現するために,低マッハ数近似に基づく流体の支配方程式を導入し,それをVMS法で離散化した解析法を構築したことである.2つ目は,実験データに乏しい林野火災の延焼速度を,枯葉を対象とした燃焼実験から取得したことである.延焼速度を評価する方法として,熱電対を用いる方法と画像解析により取得する方法を試み,両者に大きな差異はないことを確認した.3つ目は,任意の地点,時点において林野火災解析を実施するために必要となる,初期・境界条件をWRFの活用により取得した点である.
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