研究課題/領域番号 |
26420473
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研究機関 | 公益財団法人レーザー技術総合研究所 |
研究代表者 |
島田 義則 公益財団法人レーザー技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80250091)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | レーザー / コンクリート / マルチビーム |
研究実績の概要 |
コンクリート表面の振動計測について述べる。衝撃波励起用パルスレーザーをコンクリート表面に照射し、コンクリート表面に微小振動を発生させる。次いで、検出用レーザー(連続光)をコンクリート表面に照射し反射された光を検出する。しかし、反射された光はコンクリート表面粗さの影響で検出感度が低下する。これを防ぐために、ダイナミックホログラム結晶を用いた光検出を行った。振動検出用レーザーを検出装置内でビームスプリッターにより信号光と参照光に分け、信号光をコンクリート表面に照射する。コンクリート表面形状の情報を持った反射光と擾乱を受けていない参照光をダイナミックホログラム結晶中で干渉させ、コンクリート表面形状のホログラムを形成する。このダイナミックホログラムには、微小振動の情報を持つ信号光が来る前にコンクリート表面粗さの情報が書き込まれているので、位相共役効果で表面粗さに起因する信号は差し引きされ、シグナル/ノイズ比(S/N比)の高い微小振動の検出ができる。 マルチチャンネル光検出器は64チャンネルの光電子増倍管を平面に配置した素子を用いた(1チャンネルの大きさ5.8×5.8 mm、浜松ホトニクス製)。今年度は光検出器を16チャンネルの光検出器で受光した。コンクリート面から反射して戻ってきた散乱光は第1像転送レンズによりダイナミックホログラム結晶内で結像され位相共役効果により振動成分のみが出力される。この散乱光を第2像転送レンズで結像してマルチチャンネル光検出器に入射させた。振動板はピエゾアクチュエーターを用いた。レーザーを遮断した箇所とアクチュエーターに入射した箇所で明らかに信号波形が異なることを確認した。これにより、リアルタイムで2次元の振動を計測した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置の組み込みが完了し、検出器の信号受信に成功した。これにより当初の計画をクリアーしており順調に研究が推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は装置のリファインとマイコン(PC)ですべての制御が出来るように制御系を構築する。プロトタイプに組み込み、5~10m遠方からコンクリート供試体で計測を行い、課題を抽出する。 平成28年度は、複数本レーザービームに合致した欠陥検出アルゴリズムの新規構築とデータ処理の対応を行う。その後、大型コンクリート供試体あるいは実欠陥で探傷実験を行い、装置の信頼性等を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
制御ソフトを用いずに計測が可能であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に購入しなかった制御ソフトを平成27年度に購入予定である。
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