研究課題/領域番号 |
26420476
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20310964)
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研究分担者 |
所 哲也 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40610457)
石川 達也 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60359479)
中村 大 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90301978)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 埋設管 / 土圧 / 凍結 |
研究実績の概要 |
北海道のような寒冷地では,過去に地盤の凍結膨張が水道管やガス管の重大な破損事故の一因となった可能性が示唆されている.この原因として,凍結によって埋設管に作用する地盤内応力や車両荷重による土圧が増加したことが挙げられているが,変化の程度やそのメカニズムについては未だ明らかになっていない.しかし,その一方で早急な更新が急務となっている水道管については,支保工が不要となる程度に掘削深を減少させることが検討されている.そこで,本研究では寒冷地における埋設管周辺の詳細な温度分布を明らかにするとともに,浅層化によって埋設管に作用する負荷がどの程度増加するのかを明らかにすることを目的としている. 本年度までに,予定していた北見市内4か所の舗装路(車道3か所,歩道1か所)において,配水本管周辺に10cmごとの地中温度を計測できる温度測定ロッド,土圧計,土壌水分計を埋設した.また,これらの計測データを収録するための計測ボックスも設置し,毎時1回の連続計測を始めた.さらに,車道3か所については,定期的(月に1度程度)に土圧計を高速サンプリング可能な計測機器に接続し,同一車両を一定速度で通過させ,車両通過に伴う鉛直増加応力の変化についても計測し始めた. 常時の鉛直応力(土被り圧)については,いずれの地盤凍結期において大きく変動することが明らかとなったが,路盤以深の土質によって,変化の傾向が異なることがあきらかとなってきた. また,車両通過時の鉛直増加応力については,いずれの計測地点においても凍結期に小さくなるが,融解途中にある時点で最も大きくなることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた共用されている北見市内4カ所の舗装路下に計測機器を埋設し,連続計測を開始することができた.また,常時の鉛直土圧ならびに車両通過時の鉛直増加応力が凍結融解によって変化するメカニズムを明らかにするための模型土槽の製作も完了した.しかし,現時点において,そのメカニズム解明に関する手がかりについては乏しいと言わざるを得ないため,おおむね順調に進展しているとの評価に留めた.
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今後の研究の推進方策 |
27年度については,26年度に製作した模型土槽を用いて常時の鉛直土圧ならびに車両通過時の鉛直増加応力が凍結融解によって変化するメカニズムを明らかにするとともに,凍上試験などの室内要素試験,屋外にも土圧計を埋設した試験盛土を構築することで多面的にメカニズム解明に向けて努力したいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
北見市内4か所の舗装路下への計測機器設置作業において,水道管の更新作業時を利用して埋設することが可能になったため,当初見込んでいた掘削費用を削減することができたため
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次年度使用額の使用計画 |
常時の鉛直土圧と車両通過時の鉛直増加応力が凍結融解によって変化するメカニズムを明らかにするために構築することを予定している試験盛土費用に充てる予定である.
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