研究実績の概要 |
本研究は,近年の気候変動下における豪雨による河川洪水において,橋梁に集積する流木によって引き起こされる越水現象について,先行研究による室内実験の結果に基づき,本研究一年目で構築された粒子法を使用した数値モデルによるシミュレーションを実施した.なお,本研究の3年間の進捗工程は,3つの工程があり,基礎Ⅰ:現地調査のデータの整理と解析,基礎Ⅱ:流木による越水現象の本質的な事象を研究した室内実験の結果について,数値モデルの開発と,それを使った再現計算,応用:現地適応の数値シミュレーション)である.2年目は基礎Ⅱ工程のうち,より高精度の計算条件の設定かつ越水を引き起こす主要因物理量の因子分析を考慮した上で,主に室内実験の結果と数値シミュレーション結果の比較検討を行った. その成果については,災害復興に関する国際シンポジウム(I3R2 Seoul, 2015)の査読付きプロシーディングスに学術論文として掲載された.その内容は,越水時の水位高と洪水を行き起こす要因(流木量,橋梁形状,流入量)に対して,主要因分析が行われた.論文タイトルなどは以下に示すとおりである. Kimura et al. (2015) Assessment of a key factor for mechanism of a river flood, caused by driftwood accumulation at a bridge. Proceedings of the 11th International Conference of the International Institute for Infrastructure Resilience and Reconstruction (I3R2), CD-ROM, Aug. 27-28, 2015, Seoul, South Korea 加えて,このプロシーディングスの論文内容をブラッシュアップし,更に解析した結果について論じた原稿を国際ジャーナルに投稿中である.
|