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2015 年度 実績報告書

浅い貯水池における密度成層の消長が流動構造と浮遊懸濁物質の挙動に与える影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 26420501
研究機関長崎大学

研究代表者

西田 渉  長崎大学, 工学研究科, 教授 (20253635)

研究分担者 鈴木 誠二  長崎大学, 工学研究科, 助教 (40432512)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード閉鎖性水域
研究実績の概要

浮遊懸濁物質(SS)は水域の水質に対して濁りの原因であると共に,粒子表面に物質を吸着・保持する作用を有することからSSの流送や沈降,再懸濁等の挙動をとおして水質の変化過程にも影響をもたらす.そのため,水域内でのSSの動態把握は富栄養化防止等の水質管理を適切に行う上で重要である.本研究で取り上げる諌早湾干拓調整池は,当水域に課された環境保全目標値を未だに充足していない状況にあり,水質変化機構の把握とそれに基づく水質改善対策のさらなる推進が必要とされる.
そこで,まず調整池の北部水域においてSSの日変化を把握することを目的とした24時間連続観測を3回に亘って行った.北部水域には流域の人間活動由来の汚濁負荷を調整池にもたらす主な河川とされる本明川の延伸区間があり,この水域のSS等の現状把握は外部負荷の影響を明らかにしていく上でも有用である.つぎに,著者らが構築してきた数値予測モデルを現地に適用し,SSの観測結果の再現性を検討すると共に,当調整池におけるSSの空間分布の把握を試みた.
今回の観測結果からは,調整池のSSは表層から中層で一様な鉛直分布を呈しており,水柱内のSSの存在量は風の状態に応じて変化することが示唆された.また,観測地点の濃度は,風がほぼ静穏になる夜間に低下するものの,100mg/l程度の状態が持続されていることが明らかになった.SSの空間分布について数値予測モデルによる把握を試みたところ,SSは風や前面潜堤等の当調整池の地形に応じた流れに影響されて空間的に大きく変化していること,また湧昇流が生じる領域では表・中層の濃度が高まることが示された.このことから,SSの水平分布を明らかにする上で流れの空間分布の把握も必要であると判断される.
平成27年度も当初計画に従い研究を遂行予定であったが,研究代表者の退職により,研究を取りやめた.

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公開日: 2017-01-06  

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