研究実績の概要 |
平成26 年度には、移動時間信頼性に関する既存研究のレビューを行うと共に、ドライバーの異質性を考慮し、ミクロ経済学と整合的な時間価値・時間信頼性価値推計モデルの構築を行うことを目的としていた。目的通りにモデルは構築され、国際学会(6th International Symposium on Transportation Network Reliability)にて、研究成果を発表する予定である。さらには、モデル構築の基礎となる論文をインターナショナルジャーナルに3本掲載した(Uchida, K., Travel time reliability estimation model using observed link flows in a road network, Computer-Aided Civil and Infrastructure Engineering, in press; Uchida, K., Estimating the value of travel time and of travel time reliability in road networks, Transportation Research Part B, Vol.66, 129-147, 2014; Uchida, K., Sumalee, A., Ho, H.W., A stochastic multi-modal reliable network design problem under adverse weather conditions, Journal of Advanced Transportation, DOI: 10.1002/atr.1266, 2014)。 ドライバーの異質性を考慮した上で、ミクロ経済学と整合的な時間価値・時間信頼性価値を推計することは、精緻な交通施策による便益を得るためには必須であると考えられる。実規模の道路ネットワークを対象とした解析結果の検証はなされてはいないものの、基礎的なモデルを構築し、それを用いた数値実験から、現実問題への重要なインプリケーションが得ることができたことの意義は大きいと考えられる。
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