研究実績の概要 |
平成27 年度には、ドライバーの異質性を考慮し、ミクロ経済学と整合的な時間価値・時間信頼性価値推計モデルの構築を行ない、国際学会(6th International Symposium on Transportation Network Reliability)にて、成果発表を行った(Kato, T., Uchida, K., A study on benefit estimation considering both value of travel time and of travel time reliability in road network, 論文番号: 3-2-2)。さらには、モデル構築の基礎となる論文をインターナショナルジャーナルに2本投稿中である。1つ目の論文では、実務での活用を念頭に置き、解の一意性が保証され、かつ大規模な道路ネットワークを対象としても効率的に解くことが可能な交通均衡モデルの開発・提案を行っている。2つ目の論文では、経路コストがその経路のリンクコストの和とならない、すなわち、経路コストに加法性が成立しないネットワークにおけるreliable path finding algorithmを開発・提案を行っている。これらの研究は、実用的な価値だけではなく、学術的価値も高いと認識しており、移動時間信頼性を反映した道路交通政策評価モデル構築という目的に対して、大きな貢献をするものと考えられる。 以上から、理論モデルの構築だけではなく実問題への適用を念頭においた技術開発も順調に進んでいると考えられる。
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