EUの公共調達システムでは,競争的対話と呼ばれる新たな調達方式が2004年より試みられている.わが国では,民間資金を活用し,設計から建設及び維持管理運営まで一括して民間事業者に委託するPFI事業を対象として適用できる.既往研究では,競争的対話の実施例の報告や実務的な改善点に関する示唆に留まっており,理論的立場から競争的対話に関する制度論的意義について明らかにする試みは少ない.本研究課題では,1)競争的対話の本質的機能,2)競争的対話の適用がより効果的となるような事業の特性,3)望ましい入札方式について,メタゲーム理論に基づいて分析を行った.
|