本研究では, (1)船社の寄港地を考慮した輸送経路別貨物量の推計手法の提案,(2)北極海航路利用輸送の経済性分析,(3)地域間輸送産業を考慮した運賃内生多地域応用一般均衡モデルの開発を行った.(1)では大規模災害により選択可能な輸送経路が変わった際の荷主の輸送経路変更を表現する枠組みを提案し,既存の経路も含めた各経路の貨物流動量を推計した.(2)では北極海沿岸域で産出される天然ガスの東アジアまでの輸送を対象に,輸送経路別の費用を海氷の状況を考慮して推計した.(3)では地域間輸送産業の需要と供給を金額と物理量の両面で表現した多地域応用一般均衡モデルを構築し既存モデルとの挙動の比較を行った.
|