研究課題
開発したもみ殻磁性活性炭(RH-MAC)はシリカ成分を含んでおり,これにより従来の活性炭では吸着困難な有害重金属イオンの吸着が可能となる。鉛,ヒ素,水銀,カドミウムに対する吸着性能を調査し、吸着等温泉解析の結果、鉛,ヒ素,水銀,カドミウムにおいて,其々2.19mg/g,2.61 mg/g,22.0 mg/g,1.67 mg/gの非常に大きな最大吸着量が得られた。また、鉛,ヒ素の吸着量に関してはRH-MACの磁化とトレードオフの関係にあった。FEMを用いた磁気分離シュミレーションにおいて、3次元の磁界,流速,粒子軌跡の解析を行ない,質量磁化22.9 Am2/kg@2TのRH-MACでは0.5 Tの永久磁石を用いた高勾配磁気分離(HGMS)で流速0.1 m/s以下,超電導マグネットを用いた2 TのHGMSでは1 m/sでの高速磁気分離が可能であった。またこれらの結果は磁気分離実験結果にほぼ一致した。一方、昨年度開発した磁性ゼオライト(MZL)は有価資源であるストロンチウムとルビジウムイオンに対し非常に効果的な吸着が可能で、ストロンチウム溶液濃度7.8[mg/L]にMZL投入量1000[mg/L]で99%以上の吸着率を、同様にルビジウム溶液濃度0.12[mg/L]ではMZL投入量250[mg/L]で100%の吸着を行うことができた。飽和吸着量は20.08/g-MZL)]、後者では飽和吸着量65.7/g-MZL)]となり、高濃度でも高い吸着性能を維持できることが推測された。さらに、NaClイオン交換により、簡単に再生処理が可能であることが明らかになった。以上の結果より、新規磁性吸着剤と高勾配磁気分離を組み合わせた磁気分離システムにおける水質浄化及び有価資源回収の適用可能性を十分に期待させる有望な研究成果が得られた。この成果をもって今後企業との共同研究と実用化を目指す。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
IEEE Transactions on Applied Superconductivity
巻: Volume 26, Issue 4 ページ: 4pages
10.1109/TASC.2015.2512218
10.1109/TASC.2016.2523432
10.1109/TASC.2016.2547878