研究課題/領域番号 |
26420546
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
崔 琥 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40512009)
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研究分担者 |
松川 和人 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50709186)
晉 沂雄 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (60727006)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 無補強組積造壁 / RC造建物 / 静的実験 / 振動台実験 / 耐震補強手法 |
研究実績の概要 |
近年世界各地で無補強組積造(URM)壁を含むRC造建物が大きな地震被害を受けており,特にURM壁の面外方向への転倒破壊が多発している。この種の建物の地震被害を軽減するためには,まずURM壁の面内方向への耐震性能を明らかにした上で,さらに面外転倒メカニズムを評価する必要がある。 そこで本研究では,URM壁の耐震性能の把握のための面内方向への静的実験および面外転倒メカニズムの評価のための振動台実験を行い,これらの実験結果が再現できる解析ツールを開発し,URM壁付きRC造架構の破壊メカニズムを明確にするとともに,壁体の面外転倒メカニズムに基づいた耐震補強手法の提案を主目的とする。この目的を達成するために,昨年度は,URM壁を有する1/4スケールの連層および連スパンRC造縮小試験体を対象に静的加力実験を実施した。実験結果の分析により,URM壁を対角圧縮ストラットに置換可能な復元力特性の簡便な評価手法を提案し,実験結果との整合性を確認した。 今年度は,本研究で提案した壁体への補強材(タイシステム)の有無をパラメータとした壁体の面外転倒メカニズムの評価のための振動台実験を行い,現在,その実験結果の詳細な分析を行っている。また,同時並行して,これらの実験結果がシミュレーション可能な解析ツール(応用要素法(AEM,Applied Element Method))を開発している。来年度は,今まで行った実験結果を総合し,面外転倒メカニズムを含むURM壁の復元力特性を提案するとともに,これらの挙動が再現可能な解析ツールを完成させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の目的を達成するために本年度までに設定した目標は,耐震補強材なしの振動台実験までを計画していたが,来年度に計画していた耐震補強材を有する振動台実験も実施した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,申請者の計画とおり,今年度に実施した面外振動台実験結果を詳細に分析し,面外転倒メカニズムを含むURM壁の復元力特性を提案するとともに,これらの挙動が再現可能な解析ツール(応用要素法(AEM,Applied Element Method))を完成させる予定である。
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