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鉄筋コンクリート（RC）造柱梁接合部と同様にプレストレスト鉄筋コンクリート（PRC）造柱梁接合部やプレストレストコンクリート（PC）柱梁接合部においても柱梁接合部内での鋼材の降伏による接合部降伏破壊が生じ，柱梁接合部の変形は無視できない。そのため性能設計においては柱梁接合部についても作用する力（モーメント）と変形（回転角）の関係を明らかにする必要がある。この柱梁接合部の復元力特性に及ぼすPC鋼材の定着位置の影響を明らかにするため， PC鋼材の定着位置を柱梁接合部コア内外としたPC外部柱梁接合部部分架構試験体2体の水平加力実験を行った。
水平加力実験では，(1) 柱と梁の断面が同一であってもPC鋼棒定着位置が破壊性状に影響を及ぼし，外定着の場合には梁曲げ破壊，内定着の場合には柱梁接合部の破壊となった。(2)柱梁接合部で破壊した内定着の試験体では，外定着とした試験体に対して最大耐力は10%程度小さくなった。(3)柱梁接合部の破壊となった内定着試験体では除荷時の残留変形が外定着試験体より大きくなった。(4)内定着試験体では柱梁接合部の損傷と変形により履歴面積がやや大きくなった。
また，梁の初期プレストレスを軸力として評価し，そこからの鋼材の応力の増分をRC造における鉄筋の応力と同様に扱うことで，RC造柱梁接合部の終局モーメント算定法をPC柱梁接合部の終局モーメント算定に適用可能であり，計算値と実験値の比は1.01～1.02となった。
さらに，柱梁接合部に作用するモーメントと柱梁接合部の変形角の関係の推定においては，斜めひび割れ点，主筋降伏点のモーメントの算定は終局モーメントと同様にRC造柱梁接合部の算定法を準用可能であった。ただし，変形角の推定にあっては主筋間距離の扱いにさらなる検討が必要であった。
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