研究課題/領域番号 |
26420548
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飛田 潤 名古屋大学, 災害対策室, 教授 (90217521)
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研究分担者 |
平井 敬 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (00708373)
護 雅史 名古屋大学, 減災連携研究センター, 特任教授 (40447842)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 強震観測 / 地震応答 / 構造モニタリング / データベース / ウェブGIS / 相互運用 / 波形データ / 立体振動 |
研究実績の概要 |
建物強震観測の拡充と観測記録の活用のために、広域地震災害を想定した建物被災度モニタリングや防災情報への展開を考慮して、技術者や使用者が有効に活用できる強震観測方策とデータ共有プラットフォームの検討を行った。成果は大別して以下の3点である。 1.建物強震観測の現状把握と既存の観測記録の検討:主に文献調査から建物の強震観測とモニタリングの状況分析を行った。また、代表者・分担者の研究室で観測を実施してきた数10棟について、のべ数千の観測記録の統一的な再分析とデータベース化を行い、建物振動特性の傾向や耐震設計との関係を検討した。2016年度は特に、4月1日の三重県南東沖地震の東海一円の記録収集、熊本地震の記録の分析、大規模エネルギー施設の観測、免震建物の記録収集などを行った。 2.強震観測記録の共有プラットフォームの検討:ウェブGISと相互運用による環境構築技術を用い、観測記録や対象建物・地盤条件等を他の防災情報と一元化しうる情報プラットフォームを試作した。これにより入力地震動や被災状況との関係を検討でき、各建物におけるメリットだけでなく、広域の被災予測や被災状況把握など防災面での活用にもつながる。2016年度は建物多点記録のデータベース化と立体振動表示などを検討した。 3.強震観測の展開にむけた検討:上記の成果を用いた建物強震観測の展開について検討を行った。観測対象建物はなるべく多数かつ建物種別、規模、場所等は多様であることが有用である。このために、極力ローコストで管理が容易な観測機材・体制を想定し、旧式の強震計の再利用やMEMSセンサの活用を検討した。2016年度は、被災度モニタリングを目的として、複数建物の振動特性の長期・短期の変化状況を検討した。 以上から、研究者、建設関係者および建物ユーザー等のそれぞれのメリットを考察することにより、さらに多様な展開が期待できる。
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