研究課題/領域番号 |
26420549
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三島 直生 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30335145)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フレッシュコンクリート / レオロジー / 回転粘度計 / 施工設計 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、当初計画で最終年度に計画していた、「ダイラタンシーモデルの施工設計に対する具体的な適用手法の検討」を中心に進めた。当初計画においては有限要素法を拡張した数値解析モデルを予定していたが、本年度は近年注目されている粒子法(MPS法)を用いた流動解析を実施した。 本研究では、現状の解析精度およびレオロジー定数の測定精度などを考慮し、ミクロな挙動のシミュレーションではなく、より実用化に近いと考えられるマクロな型枠内流動を対象とし、さらに、計算負荷を極力少なくすることを目的に、あえて2次元解析を採用して検討を行った。比較対象の実験としては、実大規模の実験が不可能であったため、縮小モデル型枠を採用し、試料としては各種の流動性をもつモルタルを用いた。実験では型枠内流動だけでなく、試作した回転粘度計によるレオロジー定数の測定も行い、数値解析の入力値としての妥当性に関しても検討を行った。 実験および解析の結果からは、実測のレオロジー定数を数値解析の入力値として用いた場合には、型枠内の流動勾配を過小評価する傾向があること、およびこの傾向はMPS法における初期粒子間距離の影響を受けることなどが明らかとなった。さらに、2次元解析で型枠内の3次元的な配筋の影響を再現し得る可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フレッシュコンクリートのレオロジーに関する基礎研究において、実用化技術への適用手法の検討は非常に大きな問題となっている。平成27年度の研究では、当初計画の最終年度に計画していた「施工設計に対する具体的な適用手法の検討」を先に進めることで、本研究の進め方に関しても新たな知見が得られ、結果として有効な研究計画となったと考えている。その結果として、当初計画で進める予定であった回転粘度計によるフレッシュコンクリートの測定は実施に至らなかったが、研究最終年度において実施する予定であり、順番は変更となったが研究計画としては概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度は、平成27年度に得られた数値解析的な結果に基づき、より実用的な施工性評価及び施工設計に関する検討を進める。また、新たに試作しているコンクリート用の回転粘度計を用いたフレッシュコンクリートのレオロジー定数の測定を実施し、モルタルで得られているダイラタンシーを表現するモデルの適用性に関する検討を行い、レオロジーモデルの構築およびレオロジー定数の定量化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究最終年度に行う予定であった数値解析的な検討を先に進める必要があったため、回転粘度計の部品等の購入を遅らせたため。
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次年度使用額の使用計画 |
回転粘度計の部品等の購入、および新たに数値解析プログラムの修正等に関する経費を支出する予定。
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