高い剛性と強度を有する鉄筋コンクリート造耐震壁は、耐震要素として広く利用されているが、斜め方向の水平地震力が作用した時のせん断挙動については、既往の研究も少なく、不明な点も多い。本研究では、面外方向の変形量が耐震壁の面内方向のせん断強度に及ぼす影響を定量的に把握することを目的とし、実大30%スケール相当の縮小試験体3体の静的載荷実験を実施し、実験結果を基に、面外方向の変形の影響を考慮した面内方向のせん断強度の推定方法を提案した。また、実験試験体を対象とした3次元非線形有限要素解析を実施し、実験で観測された挙動を解析的に再現できるかどうか検証した。
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