本研究は,地震時にひび割れが発生しにくい壁部材の開発であり,九州大学の崎野らが開発した「制振壁」に含まれるCFT短柱の実験と,「制振壁」よりも優れた施工性とひび割れ制御性能を有する新しい耐震壁の提案である.前者は,極短柱のCFT試験体を合計28体作成し,一定軸力下における繰返しせん断力を載荷する実験を実施した.実験では,CFT柱のせん断性状を調べることができた.後者は,合計10体の試験体の作成ののち,一定軸力下における繰返し水平力を与えた.本研究で開発した壁脚部に水平スリットを有する新しい耐震壁は,安定した紡錘形の荷重-変形関係を有するとともに,壁面のひび割れを抑制できることが分かった.
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