研究課題/領域番号 |
26420559
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
薛 松濤 東北工業大学, 工学部, 教授 (70236107)
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研究分担者 |
堀 則男 東北工業大学, 工学部, 教授 (60292249)
大沼 正昭 東北工業大学, 工学部, 教授 (70085447)
船木 尚己 東北工業大学, 工学部, 准教授 (70347897)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モニタリングシステム / シミュレーション |
研究実績の概要 |
28年度は主に老朽化した2003年建設当時に設置した観測システムの代わり新しい構造ヘルスモニタリングシステムを実装した。1階、3階、6階および8階に加速度センサーを設置している。観測した加速度データ、およびそれを積分して求めた変位より変形角を求め、次のように建物の性能を判定し、モニターに表記している。変形角が1/100 以上の場合は中破、1/100 未満 1/200 以上であれば小破、1/200 未満であれば被害の可能性なしとしている。室内被害については、400Gal 以上であれば、室内被害中、400Gal 未満 200Gal 以上であれば室内被害小とし、200Gal 未満であれば、被害の可能性なしとしている。実装後に、2016年11月22日および12月28日に2回ほど中型の地震に襲われた。これらの地震の直後にモニタリングシステムが作動し、構造物の安全性を示す画面となっていた。モニタリングシステムが正確に作動でき、有効であることが分かった。更に地震の実記録より推定した応答倍率と一次周期がこれらのシミュレーション結果とほぼ一致し、2011年の東北地方太平洋沖地震時に比較して性能回復しただけではなく、建設当時の性能よりも向上していることが明らかになっている。従って、構造物に異なる制振装置で補修しても有効であり、性能向上できることが分かった。一部の成果を2017年2月24日に東京で行われた「建物の構造・機能評価に関するモニタリング技術の現状」のシンポジウムで公表した。
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