本研究は、日本の伝統的な小舞土壁の戸建住宅等への採用を容易にするため、土壁の構造特性を向上する小舞下地の仕様、壁土材料の調合および施工方法を明らかにした。まず、300mm角の要素試験体のせん断加力実験により多数の要因の影響を検討した。次に、要素実験の結果に基づき要因を選定し、壁試験体の水平加力実験を行った。 結果を総括すると、小舞土壁の抵抗要素に存在する隙間を小さくすると初期剛性は向上するが、土壁層内部にはく離を生じさせる危険性が高まることがわかった。また、塗付け層の組合せや塗付け方法によって、塗付け各層の一体性を向上する方法が明らかとなった。
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