研究実績の概要 |
平成27年度は、保水性舗装材を飽和水分含水量にするのではなく、保水性舗装材を乾燥状態から3通りの降雨量(1mm/h、2mm/h、4mm/h)により、保水性舗装材に水分を供給し、保水性舗装材が非飽和水分含水量でかつ鉛直方向に水分含水量が偏在する条件で実験を行った。実験は、温度と湿度と光量を一定に管理できるグロースチャンバー内に保水性舗装材の側面と底面を断熱した状態で設置し、水分供給終了時からの保水性舗装材の重量変化と表面温度を測定し、蒸発効率と水分含水率の関係式を導いた。そして、平成26年度に開発した保水性舗装材の熱・水分輸送過程モデルを用いて、保水性舗装材が非飽和水分含水量でかつ鉛直方向に水分含水量が偏在する条件で計算を行い、実験と比較を行った。定性的には実験結果を再現できるが、透水係数の見直しなど改良すべき点も明らかとなった。 また、CFDモデルに1元保水性舗装材の熱・水分輸送過程モデルをカップリングし、吹田市街区への適応計算を実施した。 これらの成果は、「Cortes A., Murashita Y., Matsuo T., Kondo A., Shimadera H., Inoue Y., Numerical evaluation of the effect of photovoltaic cell installation on urban thermal environment, Sustainable Cities and Society, 2015」と「Cortes A., Kondo A., Shimadera H., Hongu S., Numerical Evaluation of the Transport of Heat and Moisture in Water Retentive Pavement, 大気環境学会誌, 第51巻2号, 2016」に掲載された。
|