ハノイ・ノイバイ空港の新ターミナルビルが2014年12月に竣工したが、その前後に3回(2014年9月、2015年3月、2015年9月)航空機騒音に関する社会調査と騒音測定を行った。騒音暴露量は竣工前後で大きな変化はなかったが、竣工前と比べて竣工後にはアノイアンスは有意に増加し、過剰反応が見られた。また、昼間の室内での生活活動妨害にも同様の傾向が見られた。しかし、睡眠問題には過剰反応は見られず、3回の調査すべてで夜間の騒音レベルが45dBを超えると有意に睡眠問題が生じることが判明した。この研究は今後のベトナムさらには発展途上国の騒音政策を考えるうえで有用な科学的知見を提供している。
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